ミン・ヒジンさんと言えば、NewJeansの成功で一躍注目を集め、その独創的なプロデュース手法で「天才」の異名を取った人物です。しかし、最近の彼女を巡る騒動は、その才能とは別の側面に光を当てることになりました。
この問題は、当初NewJeansに限定されると思われていましたが、今やBTSやRIIZEにまで影響が及んでいるようです。さらには、BTSのテテ（V）とのコラボレーションにも影響があるとの噂も出ています。
K-POP業界の華やかな表舞台の裏で、どのようなドラマが展開されているのか。ミン・ヒジンさんの「天才」ぶりと、彼女を取り巻く複雑な状況について、今日は詳しく見ていきたいと思います。
この騒動は、K-POP業界の構造的な問題や、アーティストと企業の関係性など、多くの興味深いテーマを含んでいます。一緒に、この問題の核心に迫ってみましょう。
ミン・ヒジン、天才プロデューサーの軌跡
ミン・ヒジン。この名前を聞いて、どんなイメージが浮かびますか？K-POP界の天才プロデューサー、ビジュアルの魔術師、そしてNewJeansの生みの親。彼女の歩みは、まさにK-POP界の変遷そのものと言っても過言ではありません。
SMエンターテインメントでの成功
ミン・ヒジンの輝かしいキャリアは、2002年にSMエンターテインメントに入社したことから始まります。当時、彼女はアートディレクターとして入社しましたが、その才能はすぐに認められました。東方神起、少女時代、SHINee、f(x)、EXOなど、SMの黄金期を支えた数々の伝説的なグループのビジュアルコンセプトを手がけたのです。
彼女の仕事は単なるアルバムカバーのデザインにとどまりませんでした。アーティストのイメージ戦略、MVの方向性、さらにはグループ全体のコンセプトまで、彼女の影響は多岐にわたりました。この時期、ミン・ヒジンはK-POP業界の視覚的な基準を築き上げたと言っても過言ではありません。
ミン・ヒジンのSMでの成功は、彼女の先見性と創造力の賜物だったのでしょう。従来のK-POPの概念を覆し、新しい視覚的表現を追求した彼女の姿勢が、SMの黄金期を支えた一因だったと考えられます。
HYBEへの移籍とNewJeansの誕生
2018年、ミン・ヒジンはSMエンターテインメントを退社します。燃え尽き症候群が原因だったと言われていますが、おそらく彼女の中で新たな挑戦への渇望があったのではないでしょうか。
そして2019年、彼女はBig Hit Entertainment（現HYBE）に移籍します。ここで彼女は、自身のレーベルADORを設立し、NewJeansというグループを世に送り出すことになります。
NewJeansのデビューは、K-POP界に新たな風を吹き込みました。従来のK-POPの常識を覆す戦略、独特のビジュアル、そして高いクオリティの音楽。これらすべてがミン・ヒジンのビジョンから生まれたものでした。
ミン・ヒジンのHYBEへの移籍は、彼女の創造性をより自由に発揮するための選択だったのでしょう。NewJeansの成功は、彼女のビジョンが正しかったことを証明しています。
ミン・ヒジンの独自のプロデュース手法
引用元 NHK MUSIC
彼女の手法は、従来のK-POPの常識を覆すものとして注目を集めていますよね。
アートディレクターからプロデューサーへ
ミン・ヒジンさんのキャリアは、SMエンターテインメントのアートディレクターとしてスタートしました。当時から彼女は、少女時代やSHINee、EXOなど、数々の人気グループのビジュアルコンセプトを手がけ、その才能を発揮していました。
しかし、彼女の野心はそこにとどまりませんでした。音楽プロデューサーへの転身は、彼女のクリエイティブな才能をより全面的に発揮するための自然な流れだったのかもしれません。
面白いのは、ミン・ヒジンさんが音楽プロデューサーとしてデビューしたときの状況です。彼女は従来の音楽プロデューサーとは全く異なるアプローチを取りました。デザインやビジュアルの専門家としての経験を活かし、音楽制作の全過程に関与したのです。
この転身には、K-POP業界全体をより創造的で革新的なものにしたいという彼女の思いがあったのではないでしょうか。アートディレクターとしての経験を活かしつつ、音楽制作の全てのプロセスに関わることで、より統一感のある、そして視覚的にも聴覚的にも魅力的な作品を作り出すことができると考えたのでしょう。
NewJeansのコンセプト戦略
そして、ミン・ヒジンさんの才能が最も輝いたのが、NewJeansのプロデュースでした。NewJeansのコンセプト戦略は、従来のK-POPの常識を覆すものでした。
まず、彼女が掲げたコンセプトは「自然体、ノスタルジー、等身大」というものでした。これは、当時のK-POP業界で主流だった「Girl Crush」コンセプトとは全く異なるものでした。
なぜこのようなコンセプトを選んだのでしょうか。おそらく、ミン・ヒジンさんは、K-POP市場の飽和状態を見越して、あえて逆張りの戦略を取ったのではないでしょうか。「2000年代のハイティーン」というコンセプトは、新鮮でありながら、同時にノスタルジックな魅力も持ち合わせていました。
さらに、彼女のプロデュース手法の特徴として、以下のようなものが挙げられます：
- ビジュアル重視：VHSテープやポラロイド写真のようなビンテージ感のある映像や写真を多用
- 徹底的なブランディング戦略：マクドナルドとのコラボレーションなど、斬新なマーケティング手法
- メンバーの個性重視：メンバーそれぞれの魅力を最大限に引き出すアプローチ
これらの戦略は、NewJeansを世界的なスターへと押し上げる大きな要因となりました。
ミン・ヒジンさんのアプローチは、K-POP業界に新しい風を吹き込んだと思います。彼女の戦略は、単にアイドルグループを作るだけでなく、一つのブランドとしてグループを育てるという視点を持っていたように感じます。これは、K-POP業界全体にとっても新しい方向性を示したのではないでしょうか。
また、彼女のアプローチは、アート思考によるカスタマーサクセスの好例としても注目されています。これは、音楽業界だけでなく、ビジネス全般にも応用できる考え方かもしれません。
HYBE内部での対立と解任劇
引用元 ANNnewsCH
株主間契約の見直しをめぐる対立
事の発端は、2023年2月に遡ります。HYBEとADORの間で株主間契約の見直し交渉が行われたのです。この交渉の場で、ミン・ヒジン氏側から「HYBEとして受け入れがたい条件提示」があったと言われています。
具体的にどのような条件だったのかは明らかにされていませんが、おそらくミン・ヒジン氏がADORの経営により大きな自由度を求めたのではないでしょうか。NewJeansの大成功により、ミン・ヒジン氏の発言力が強まっていたことも、この要求の背景にあったと推測できます。
HYBEとしては、傘下レーベルの一つであるADORに過度の自由を与えることは、グループ全体の経営戦略に支障をきたす可能性があると考えたのかもしれません。この対立は、クリエイティブな側面を重視するミン・ヒジン氏と、ビジネス面を重視するHYBEの経営陣との間の価値観の違いを浮き彫りにしたと言えるでしょう。
電撃解任と法的争い
引用元 ANNnewsCH
対立は徐々にエスカレートし、2023年8月27日、HYBEはミン・ヒジン氏をADOR代表から電撃解任しました。この決定は業界に大きな衝撃を与えました。
ミン・ヒジン氏側は、この解任を「違法な決定」だと主張し、法的な争いへと発展しています。彼女は、「解任の明確な理由がなかった」と述べており、この決定が突然であり、十分な説明がなかったことを示唆しています。
一方、HYBE側は株主間契約の解除を通知し、裁判所に解除確認訴訟を提起しました。これは、ミン・ヒジン氏との関係を完全に断ち切ろうとする動きだと解釈できます。
この騒動の背景には、K-POP業界特有の構造的な問題があるように思います。アーティストや制作者の創造性と、大手エンターテインメント企業の経営方針との間にある緊張関係は、常に存在してきました。ミン・ヒジン氏の事例は、この問題が顕在化したものと言えるでしょう。
この騒動は単なる一企業の内紛にとどまらず、K-POP業界全体の課題を浮き彫りにしたと思います。クリエイティブな才能をどのように尊重し、同時にビジネスとしての成功をどう追求するか。この難しいバランスは、今後も業界の大きな課題となるでしょう。
また、この騒動がNewJeansやその他のアーティストにどのような影響を与えるのかも気になるところです。ファンとしては、アーティストたちの活動に支障が出ないことを願うばかりです。
BTSのV（テテ）とミン・ヒジンのコラボレーション
実は、BTSのV（テテ）とミン・ヒジンのコラボレーションは、この騒動以前から計画されていたようです。BIGHITミュージックが公式声明を発表し、Vのソロアルバムにミン・ヒジンが参加することを明らかにしました。このコラボレーションは、Vのソロデビュープロジェクトの一環として進められていたのです。
ミン・ヒジンは当初、このコラボレーションに対してかなり慎重だったという報道もあります。しかし、最終的にはプロジェクトに参加することを決めたようです。
騒動の影響
ところが、このコラボレーションの行方に、今回の騒動が影を落としています。ミン・ヒジンとHYBEの対立が深刻化する中、Vのソロプロジェクトがどのような影響を受けるのか、ファンの間で懸念が広がっています。
特に注目すべきは、ミン・ヒジンがBTSやRIIZE、TWSなどのグループが彼女のアイデアを盗用したと主張したという報道です。この主張は、BTSのファンであるARMYや他のグループのファンの怒りを買うことになりました。
この騒動は、K-POP界全体に波紋を広げています。NewJeansのメンバーたちが緊急生配信でHYBEに抗議したことは既に述べましたが、他のアーティストたちにも影響が及んでいます。
例えば、RIIZEやTWSといった新人グループも、ミン・ヒジンの盗用疑惑の対象となっています。これらのグループのファンたちも、この騒動に巻き込まれる形となりました。
今後の展開
この騒動の結末は、まだ見えていません。しかし、多くの専門家は、NewJeansはHYBE傘下のADORに残り、ミン・ヒジンは和解金を受け取る形で決着する可能性が高いと予想しています。
ただし、これはあくまで予想に過ぎません。BTSのVとのコラボレーションをはじめ、進行中のプロジェクトがどうなるのか、まだ不透明な部分が多いのが現状です。
ミン・ヒジン騒動は、当初予想されていた以上に広範囲に影響を及ぼしています。NewJeansだけでなく、BTSやRIIZE、さらには新人グループまでもが、この騒動に巻き込まれています。
